PER、PBR、ROEの意味について

お疲れ様です。

PER、PBR、ROEの意味について、備忘を含め、まとめておきます。

企業価値の評価において様々な方法がありますが、PER、PBRなどはマーケット・アプローチにおけるマルチプル法の中でも特に個人投資家にも使いやすいと思ってます。

また突き詰めるとインカム・アプローチのDCF法とのつながりが見えたりします。(今回は触れませんが)

まず、PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)は利益から見た「株価の割安性」を判断する指標。

計算式は…

PERの単位は(倍)であるが、年度毎の予想利益で時価総額を割るということは、例えばPERが10倍なら、今の予想利益を10年間出し続ければ式の分子の時価総額に10年で到達するという意味に変換できる。

また、PERの割安、割高の目安は15倍程度という記載が多い。根拠は日経平均のPERが14倍~15倍程度で推移しているからだろう。

だが、実際は業種ごとで水準は異なるため、実務的には業種を考慮すべきだと思います。

業種別PER、PBRは東証が規模別・業種別PER・PBRを月次で出しているので要確認。

また、平均PERと比較して高いから割高、低いから割安と決めつけるのは早計である。

例えば、PER10倍のA株(小売業)と、PER30倍のB株(小売業)があるとする。

先月2020年1月の小売業のPERは26倍程度であり、指標で見比べれば、A株は割安で、B株は割高。

ただし、A株の決算を見ると売上は伸びておらず、今期は土地の売却益(特別利益)が予想利益の大半を占めていた。よって来期以降は大きく減益し、赤字の可能性すらありそうなことが分かった。つまり来期以降はPERがかなり高くなる可能性がある。

一方で、B株の決算を見ると本業の売上が伸びており、利益も毎年30%程度の成長を遂げていた。このペースでいけば5年後にはPERが8倍程度まで下がるため、今PERが30倍でも今後の成長を加味すればB株の方が割安となる可能性が高い。

つまりPERの数字だけ見ていても、本質を見誤る可能性があり、数字の意味を考える必要がある。

PERが高いことは割高で良くないということではなく、その分の成長が期待されているのかな?と成長率を考えながら決算を調べるくらいが良いと思われる。

ちなみにそのPERの式は以下のように表すことができる。

上記式を初めて見て、先ほど私が記載したPER=時価総額(P)/ 予想利益(E) からの変形がすぐに思い浮かぶ人は少ないと思います。

詳しくは以下のサイトをご覧ください。

PER 成長率の観点

現在の株価Pが1年後のEPSと1年後の株価に基づいて算出されているとして、それをn年後まで広げ、各項を年度分累乗した資本コスト r+1 で割り引き、それを等比数列の公式でまとめると以下のようになる。

PER = 1 / (r – g)  (r > g)

資本コスト r はあまりここでは詳しく触れないが、企業が資金調達に負担するコストであり、投資家が資金提供する際の要求リターンでもあります。割引率としてよく登場しますね。

先程挙げたPERが30倍のB株はこの分母のg(利益成長率)がA株と比較して高く見積もられており、結果PERが高くなっていたわけである。一方、このgの見積もりを楽観的に高く見積り、それが間違っていた場合は、PERが実態以上に高く割高ということが言える。

ちなみに、PERは利益から見た「株価の割安性」を判断する指標であるが、対象企業が赤字の場合はPERが負になってしまう。よってその際は利益ではなく売上を使い、PSRとして株価の割安性を判断したりする。

さて、次にPBRについてである。

先ほどのPERの式の分母が予想利益から純資産に変わっただけです。

予想利益は年度ごとに変わりやすいですが、純資産は過去から積み上げなので利益ほど大きく動かず、PERに比べて、PBRの数値の方が安定してます。また、利益は赤字の可能性があり、PERが負になってしまうが、純資産は負になれば長く市場に居続けることは難しいので、PBRは基本的には正となります。また、PERと違い、予想純資産ではなく、実績ベースの純資産を使用して算出します。

次にROE。

ROEは式の通り、EPSをBPSで割っており、企業が自己資本をいかに効率的に利用して利益を出したかを表す指標です。ただ、自己資本を効率的にと言われても私はあまりピンとこないので、別の例えで覚えてます。私は純資産を家計で言うところの資産からローンを差し引いた貯金だと思っており、利益はお父さんの給料から飲み代などを差し引いた可処分所得、そしてROEはその貯金の溜まる速さを見る指標だと思ってます。ROE50%であれば、今の予想利益が2年続けば今の貯金が倍になるということですね。

貯金の溜まる速さを見る指標なので大切ですが、ROEがやたら大きい会社は純資産が少ない場合があり、注意する必要があります。併せて自己資本比率など安全性に関するチェックが必要です。

次回はこれらの指標を組み合わせたバリュエーションの方法について記載します。




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