株の取引コストについて VOL2

お疲れ様です。

さて、前回記載した株の取引コストについての続編です。前回、取引コストの種類について触れましたが、今回は取引コストを減らすための手法について記載します。

方法は大きく分けて2点あります。それはアルゴリズムを使った注文代替市場を利用した注文です。

一方、取引コストを減らすための手法といっても、先日記載したように一部コストには事後的に分かるコストがあり、不確実な部分が存在します。また、取引者が何を優先させて取引を執行するかにより、選択する手法も変わってくるかと思われます。例えば約定の速さを優先させるのであれば、ビッドアスクスプレッドやマーケットインパクトは嵩む傾向にあります。一方で、大口の注文を分割してマーケット・インパクトをできる限り抑えた注文をこなしたことで執行時間が長くなれば、価格変動により機会コストやタイミングコストが嵩んでしまいます。

よって取引で何を重視するかを意識し、コスト、スピード、執行の確実性などにおいて最良の条件で取引をするのが大切です。その上で便利なのはアルゴリズムを使った取引や代替市場を使った取引ということです。

機関投資家は事後に分かる不確実なコストについては、モデルや過去の市場データをもとに確率・統計的に推計しているようです。また、機関投資家は先程述べた取引時間が長くなれば嵩むコストとマーケットインパクトのコストを足しあわせて、それが最小となる最適な執行時間を設定し、大口注文を分割した取引をアルゴリズムでこなす等、凝ったことをしてます。運用額が桁違いなのでコストもバカにならないため、取引コストを減らすために採算がとれるコストをかけているということですね。

正直な話、個人投資家は運用額が多くてもせいぜい数億円~数十億円という方が多数を占める中、そもそもそこまで必要なの?と思われる方もいらっしゃると思います。私も同じように思います。取引コストを削減するために、高度なアルゴリズムのサービスにお金を払うのは本末転倒ですので、無料で誰でもお手軽にできる方法を紹介致します。

先程、大口の注文を分割してマーケット・インパクトをできる限り抑えた注文がある旨を記載しましたが、そのような注文をアイスバーグ注文と言います。大口の注文を一度に板に出すわけにはいかないので、それを分割して小口で発注し、それが約定したらまた小口で出すというのを繰り返します。アイスバーグとは氷山のことで、海の先っぽに出ている氷は少ないのですが、海の下にはでかい氷塊があることからつけられたネームのようですね。このアイスバーグ注文をお手軽にできる証券会社は今のところ私も知りません。( X_TRADERがあるが機関投資家向けと思料

ただ、楽天証券が2018年10月14日にアルゴ注文を搭載したMARKETSPEEDⅡというサービスをリリースするようです。信用口座を開いておけば無料で使えたはずです。以下詳細です。

MARKETSPEEDⅡ 紹介動画

これにより、マーケットインパクトを回避して、お手軽発注できるわけですが、アイスバーグ注文は歩み値をモニタリングしている投資家からは見破られ、カモにされることがあるので注意です。アイスバーグ注文を利用した取引

また、ちんたらアイスバーグで発注していると、先述したようにタイミングコストと機会コストが嵩みます。

上記MARKETSPEEDⅡでは他に以下のようなアルゴを搭載しているようです。参考までに記載しておきます。

トレイリング注文 ⇒ 株価に応じて、損切ラインがコバンザメのように動き、損失を最小限に抑え、利益を伸ばすことができる。デメリットはトレンドフォローの時には使いやすいかもしれないが、ボラタイルな銘柄でボックス相場の際は期待するように機能しないことも。(決済されやすく、取引回数が増えてしまう)

スナイパー注文(ステルス注文) ⇒ 指定の価格の注文が出るまで発注せず、待機。指定の価格の注文が出たら即発注をかける。未約定分は取消しされて板から消え、再度待機。

ちなみに板に注文を晒しておく(指値)というのは自分の手の内を晒しているのと同じであり、発注量が多いほど、目立ち、相手に戦略を与える隙を作ってしまう。また、流動性がなければ、自身の取引を予測されてしまうリスクがある。それをこの注文で防ぐことができる。また、買いが買いを呼ぶといいますがそのようなことを防ぐのにも利用される。詳細こちら

リンク注文 ⇒ 複数注文を順番にこなすことができる。(MARKETSPEEDⅡでは最大10件分の注文らしい)前の注文が約定したら、次の注文を発注する。

リザーブ注文 ⇒ 発注タイミングを設定できる。例えば、年初来安値で買い発注。権利付最終日の引け間際に買い注文を発注等。

いずれにせよ、アルゴ取引は機械にある程度の取引裁量を与えている以上、よく人間が考えてから組まなきゃダメですね。例えば上記に記載したリザーブ注文も引け間際に買い注文をした場合、価格に関係なく約定されたらとんでもない高値で約定されたりする可能性もあるわけです。使い方によってはとても便利ですし、個人投資家にプロが使ってた手法を使いやすく卸してくれるのはありがたいことですね。さすが楽天証券。

さて、他にも個人投資家レベルで取引コストを削減できそうなお手軽な方法として、アルゴリズムを使った取引とは少し離れてしまいますが、VWAP(出来高加重平均)を使った取引を紹介します。機関投資家は大口の執行価格をVWAPに近づけたい場合、適当な時間間隔で日中の出来高分布に応じてアルゴを使って分割発注をかけてます。VWAPを用いて株式の執行コスト分析をこちらのサイトで解説してます。私も当日に株を分けて購入する場合、自身の購入によってVWAPから乖離が生まれるような不利な購入をしないことはもちろん、できればVWAPより安く手に入れたいなと考え、株の売買時の目標値にしてます。買いたい銘柄が複数あり、VWAPより株価が下落している銘柄を狙って買う場合、各銘柄のVWAPや現在値を都度確認しなければなりません。その際、私は楽天RSS(Real Time Spreadsheet)を利用してます。 Excel上に対象銘柄のVWAPや現在値やそれらの乖離率が随時自動更新され、とても便利です。また、その他にも便利な関数が数多くあり、これを使うだけでも楽天証券の口座を使う価値がある気がします。

RSS関数一覧

ちなみに、私は楽天証券の回し者ではありません。楽天証券は嫌いという方は、他に岡三証券でも似たサービスを提供しているようなので下記を参考に頂ければと思います。岡三証券の方は発注まで自動化できちゃうみたいですね。

岡三、楽天 RSS比較

ちなみに私はVWAPが便利だから利用しているだけですが、TWAP(time-weighted
average price)などもっといろいろこだわってやりたいという方はその他に色々なアルゴリズムの取引戦略があります。詳しくは下記資料P18が参考になると思います。

取引コストの削減を巡る市場参加者の取組み

次に、代替市場を利用したコスト削減についてです。機関投資家は代替市場を活用して売買対象商品の流動性を広げることや、売買情報の流布を抑制することでマーケット・インパクトを削減するため利用することがあります。また、取引所時間内の株価に対する影響を少なくし、市場の安定化を図る効果もあります。 一方、国内では代替市場を使った取引は米国、欧州ほど売買シェアはなく、個人投資家としてコスト削減のために利用できるほど活発な取引が行われているとは言い難いようです。私は気になる銘柄はPTSの価格を日々チェックはしておりますが、やはり流動性が少ない銘柄が多く、夜間PTSでつく価格と翌日取引所でつく価格が大きく異なっていることがあります。ですので正直代替市場を使って取引コストを削減というのは、国内では難しい気がしてます。ただ、個人投資家として選択肢を知っておくことに越したことはないので紹介しておきます。

PTS(Proprietary Trading System)とは市場外時間外取引の一種です。(SBIジャパンネクスト証券が運営) PTSにはデイタイム とナイトタイムが存在し、証券取引所を通さずに有価証券を売買することができる、コンピューターネットワークを利用した取引です。メリットは取引所が閉まった後でも取引可能であることや、取引所が閉まった後に出た、重要なニュース後でもいち早く投資アクションを起こせる点があります。現在SBI証券と、松井証券で利用できるようですが、今後他社でも扱いが増えてくるようです。ただ、下記はNRIが作成した資料の抜粋ですが、まだまだPTSの取引量というのは少なそうですね。

海外では私設取引所が既存の取引所と競争をしているというのに、日本は少々取り残されている感じがしますね。

米私設取引所BATS、欧州最大の同業を買収

その他の市場内時間外取引に立会外分売ToSTNet取引があります。
立会外分売は大株主の保有株式を一般投資家への分散する際に円滑に行うことが可能です。証券会社から個人投資家も申し込むことができます。私はやったことはありませんが、証券会社の立会外分売のページを時々見てます。興味ある方は以下のリンクにて立会外分売のメリット、デメリットをご確認ください。

立会外分売とは

ToSTNeT取引は立会外取引専用の売買システムである、” ToSTNeTシステム(Tokyo Stock Exchange Trading NeTwork System)” を通じて行われる現物の立会外取引です。現在、単一銘柄取引、バスケット取引、終値取引、自己株式立会外買付取引の4種類の取引を行うことができます。機関投資家による大口取引やバスケット取引の円滑な執行が制度の趣旨・目的で、私の個人投資家として関わるイメージは公募売り出しです。また、マネックスがToSTNeT-1を使った立会外セールという個人投資家がお手軽に使えるサービスを出しているみたいですね。

上記より、立会外分売とToSTNeT取引はやや似ているところがありますね。なんかいまいち違いがよくわからん…という方いるんじゃないでしょうか。私もそう思います。ですので、違いについて分かりやすく書いてあるサイトがいくつかありましたので紹介しておきます。

株式の売出し・立会外分売の比較

株式の売り出しと立会外分売の違い

規模手続きの煩雑さなどが異なるようですね。また、余談ですが上記に出てくる ブロックトレードについて気になった方はリンクを確認してみてください。

とまぁ、代替市場を活用して、取引コストを下げる手法はありますが、個人投資家レベルからすると、銘柄分散、分割発注でも十分かな…と私は考えております。ただ、上記のような代替市場もありますので、良い条件の際は利用してみるのも手ですね。

以上がアルゴリズムと代替市場を利用した取引コストを減らす工夫についてでした。個人投資家としては、コストの種類を把握しておき、どんな発注をしたらコストがかかるのかを知っておくのが大事だと思います。その上で、上記で説明したような手法を選択してみるのもよいかもしれませんね。また、これはあくまで小手先のことです。一番大事なのは将来を予測して、良い銘柄・悪い銘柄を見つけて、安く買い高く売ることだと思います。

私見含め以上になります。

追記

過去に記事にした注目銘柄の投資パフォーマンス(含み益or損&確定分を含む)

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日本海洋掘削(1606) 空売り 記事記載日6/26

リターン:+94%(買戻し済み)

過去記事↓

6.12 海洋掘削空売り

6.23 海洋掘削逆日歩

6.25 海洋掘削値動き

6.26 海洋掘削買戻し

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幸楽苑HD(7554) 空売り 記事記載日6/13

リターン :+6%(買戻し済み)

6.13 幸楽苑空売り

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日本M&Aセンター(2127) 買い 記事掲載日6/14

リターン:-15% (売却済み)

6.14 日本M&A買い

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田淵電機(6624) 空売り 記事記載日6/19

リターン:+55% (買戻し済み)

過去記事↓

6.19 田淵電機空売り

6.27 田淵電機ADRについて

6.28 田淵電機買戻し&株取引について

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オリックス(8591) 買い 記事掲載日6/20

リターン:-3% (売却済み)

6.20 オリックス買い

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鉄人化計画(2404) 空売り 記事掲載日6/30

リターン:+6% (買戻し済み)

6.30 鉄人化計画空売り

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夢の街創造委員会(2484) 空売り 記事掲載日7/4

リターン:+3% (買戻し済み)

7.4 夢の街創造委員会空売り

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ブイ・テクノロジー(7717) 買い 記事掲載日7/10

リターン:-3% (売却済み)

7.10 ブイ・テクノロジー買い

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エーザイ(4523) 空売り 記事掲載日7/12

リターン:+4% (買戻し済み)

リターン:+19% (買戻し済み)

7.12 エーザイ空売り

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フィンテックグローバル(8789) 買い 記事掲載日7/17

リターン:+3% (売却済み)

7.17 フィンテックグローバル買い

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記事掲載日7/24

アイケイ(2722) 買い

リターン:+1% (売却済み)

エスプール(2471) 買い

リターン:+3% (売却済み)

串カツ田中HD(3547) 空売り

リターン:+2% (買戻し済み)

ネオス(3627) 空売り

リターン:-3% (買戻し済み)

7.23 複数銘柄の売買掲載

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ネオス(3627) 買い 記事掲載日7/24

リターン:+21% (売却済み)

7.24 ネオス買い

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記事掲載日8/20

トレードワークス(3997)買い

リターン:+8% (売却済み)

トレンダーズ(6069) 買い

リターン:+4% (一部売却し継続中)

トレードワークス(3997)、トレンダーズ(6069) 買い

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ネオス(3627) 買い VOL2 記事掲載日9/4

リターン:+18% (売却済み)

リターン:+3% (再購入 9月27・28日 継続中)

9.4 ネオス買い

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大森屋(2917) 買い  記事掲載日9/13

リターン:-1% (継続中)

9.13 大森屋買い

以上




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