株の取引コストについて VOL1

お疲れ様です。

最近、記事をさらに細かく分けるようにしました。詳しくはホーム画面で記事の分類を見て頂ければと思います。

さて、本日は株の取引コストについて記載します。取引コストの種類取引コストを減らすための工夫を記載します。長編になるので、2回に分けたいと思います。あまりこの手の話をかみ砕いて記載している記事は少ないので参考にしていただけますと幸いです。

まず、取引コストの種類についてですが、取引コストと言われたら、思いつくのは証券会社に払う取引手数料税金ですよね。でも他にも実は色々コストがかかっているんです。取引手数料の種類を知ることで、自分の注文の仕方も変わってくると思います。では挙げていきましょう。

・取引手数料

証券会社や取引所に支払う売買手数料や口座維持管理料など。このコストは見えやすく、分かりやすいです。取引前にかかるコストを見積もることができ、お客はどこの証券会社や取引所を使うかの決め手にもなるため、各社このコストを少なく見せる競争が働いてます。ビットコインの取引所ではこのコストを0もしくはマイナスとしているところもあり、株取引においても最近取引手数料を無料とするところが現れました。この点の詳細については取引コストを減らす工夫の欄で述べます。

・税金

株、為替、債券、コモディティ等を何を売買しても利益が出たらかかるコスト。こちらも税率はそれぞれ決まっているので取引前にかかるコストを見積もることができます。

・ビッドアスクスプレッド

すぐに約定を得たいならビッドアスクスプレッドを支払う必要があります。為念にてビッドアスクスプレッドの解説をしておきます。分かる方は読み飛ばしてください。ビッドアスクスプレッドとはビッドとアスクの間にある幅のことです。ビッドとは買いたい人がこの値段で買いたい!という値段です。アスクとは売りたい人がこの値段で売りたい!という値段。スプレッドとは金融でかなり良く出てくる用語で、金利関係に多いです。スプレッドは金利差や価格差みたいなイメージです。スプレッドと言われたら、何と何の差なのかを考える必要があります。ビッドアスクスプレッドは買い値と売り値の差となります。

株取引で例えます。下記は大森屋(2917)の板ですが、買い手は1,000株 950円で買いたい(BID)、売り手は1,000株 955円で売りたい(ASK)。

自分は本当は950円で1,000株欲しいのだが、今すぐに買いたければ、955円のアスクを叩いて約定します。つまり5円のコストを支払って1,000株を自分の希望するタイミングで確実に手に入れるわけです。もし5円のコストを払わずに、950円で指値をした場合、いつ約定するかわからず、時間コストがかかることや、そもそも約定しない可能性もあります。ビッドアスクスプレッドは流動性が低い銘柄は高い傾向があります。上記大森屋もビッドアスクスプレッドは5円程度となってますが、大きい時は30円以上ワイドニングしてます。もしその時にアスクを叩いて約定しようものなら3%以上のコストを払うわけですからバカになりません。これも事前にコストを見積もることができます。では、この板を使って次のコストを確認しましょう。

・マーケットインパクト

これは取引者自身の売買により、売り値の下落や、買い値の上昇をもたらし、それにより発生するコストです。これも下記の板を使った方が分かりやすいです。先程のビッドアスクスプレッドはアスクに出ている1,000株が欲しいとのことで、ビッドアスクスプレッドの5円だけ支払えば、アスクに出ている955円の1,000株を叩けば約定可能でした。では、10,000株欲しい場合はどうするかを考えていきます。

板が動かない、という前提ならば、今すぐ大森屋株が10,000株欲しい!!という場合は、10,000株を成行で注文するか、もしくは10,000株分板に出ている984円に指値して買うかのどちらかですね。平均取得単価966.7円で10,000株分約定できるでしょう。本来は950円で欲しかったのに、マーケットインパクトによりコストが膨らんだということです。

ただ、現実はこんなに甘くないです。板が動くからです。取引の半分以上が機械と言われる今、下の注文が食われたら、即座に注文を引っ込めるアルゴなどがあり、板に出ている数字はあまり当てにならないです。現実であれば、こんなスカスカの板で10,000株成行で注文した場合、恐らく上の方のアスクは引っ込められて、先程の966.7円より高い取得単価になることも覚悟する必要があります

ちなみに、10,000株くらいでしたら個人投資家レベルですが、機関投資家が100,000株買うといった場合どうなるか…。この場合、相当うまくやらないと、買い付けているという情報が他のトレーダーにバレます。そうなると売り物は減り、買いが殺到し下手すればストップ高です。よく掲示板に書いてある、”大口が来たぞー!!” ってやつですね。そうなればコストを払うどころではなく、想定していた売買執行をあきらめることもあるわけです。

取引額が大きく、取引対象の流動性が低い程、マーケットインパクトは大きくなります。また、どの程度のコストになるか事前にはわからないところも厄介です。取引サイズが大きくなれば運用が難しくなるのはこの点が挙げられます。

遅延コスト

想定している株価での取引を決定してから、発注に至るまでの間に株価が動くことにより発生するコスト。このコストについては、取引前にかかるコストを見積もることができます。

タイミングコスト

取引の執行中に価格の変化が生じ、発生する費用。株価は自身の発注以外の影響によっても、もちろん動きます。よって少量で少しづつ発注する等、執行時間が長くなるにつれて、この価格変動の影響を受けることになります。このコストが事前にどの程度のコストになるかはわからないです。

機会コスト

上記に記載したようなコストの観点などから、取引量を減らしたり、諦めたりしたことによる逸失利益。こちらのコストも後になってから、発注しておけば良かった…と分かる事後的なコストと言えます。

結構色々な種類のコストがありますよね。これらのコストは取引により発生するコストですので、買い→売りと往復で発生します。そして、取引サイズが大きく、取引対象の流動性が小さいほどコストが大きく発生する傾向があります。機関投資家はロットも大きいので、コストを削減すべく工夫をしておりますが、ある程度、銘柄選びの線引きもしているようです。例えば下記リンクのように時価総額100億円以下の銘柄には投資をしない等です。

機関投資家のホンネ

実際良い銘柄を見つけても流動性がなくて投資できないのはストレスになりそうですね。でも、買う時に流動性があっても、売る時にに流動性があるとも限らないですし辛いところです。

取引コストを削減するための工夫は、” 株の取引コストについて VOL2 “ にて詳細を記載しますが、株式市場の制度面からはいくつか改善が行われてきました。まず、1999年に株売買手数料が自由化されたのを契機に、ネット取引での株式投資が広がり、取引手数料が減少。加えて、株式分割に関する規制が改正され、大幅な株式分割が可能となったことや、呼び値の変更もあり、流動性の増加によるスプレッドの縮小に寄与したといわれております。また、2010年の「東証アローヘッド」と呼ばれる売買システムの導入により、高頻度取引が東証で広がるきっかけを作り、後述する取引コスト削減のための環境が整ってきました。

東証アローヘッド 流動性向上に一定の効果

余談ですが、取引に関して、先ほど大森屋の板を例に説明しましたが、日本の株式市場はオークション方式(オーダー・ドリブン)といい、価格優先、時間優先の原則の下、競争売買により注文を成立させる方法を取っております。NYSEも同じ方法です。

一方、マーケットメイク方式(クォート・ドリブン)とは、マーケットメイカーやディーラーが気配値を提示して売買注文を成立させてます。FXはマーケットメイク方式が多いです。他には東京証券取引所の上場投資信託(ETF)でも採用されており、海外ではNASDAQ市場やシカゴ商品取引所でも採用されてます。

マーケットメイク方式の場合もビッド、アスクの気配を提示してますので、ビッドアスクスプレッドは存在しますが、マーケットインパクトの場合はどうでしょうか。これについてはマーケットメイク方式でも、オークション方式と同様にコストが発生します。大口で注文を入れるとマーケットメイカーが提示する気配値が変化し、コスト加味後の気配値提示となります。マーケットメイカーは大口注文を受けた後に、自身のポジションがニュートラルとなるよう反対売買をして、注文を捌かなければなりません。その際、さばける量とコストを見積もった上で気配値を提示しているというわけです。私自身も銀行で、顧客から大口注文を受けた際は、広めの気配値を提示し、約定後はやられが出ないよう迅速にドキドキしながら反対売買してました。

話が横道それますが、銀行では個人投資家向けに公表レートを毎営業日出しており、” 今はこのレートで取引しますよ~ “ というレートを提示してます。ただ、公表レートには大口取引に存在するマーケットインパクトのコストは加味されていない事や、公表レートと市場実勢レートのズレにより銀行が損をする可能性があります。よって、安易に大口注文を公表レートで受けてしまうと、銀行に思わぬリスクがあるわけです。

その対策として、銀行によってはある程度の大口の注文は公表レートでは受けず、リアルタイムのレート(厳密には直物相場からONとTN(つまり2日分)のスワップレートを加味したレート)をお客に提示します。そして個人投資家はこの制度を逆に利用して、相場状況によっては小遣い稼ぎができる可能性があります。(オススメはできませんが笑)

例として某A銀行の公表相場が以下になります。下記にしっかりと10万米ドル相当額以上は市場実勢相場を適用と書いてありますね。

どのような相場状況で小遣い稼ぎができるのかというと、上記米ドルを見た場合、公表相場のTTB 1ドル=111.61円より円高で米ドルが作成できる状況です。例えば、銀行が公表相場を午前に出した後に、要人の発言等で大きく円高に進んだとします。そして市場実勢レートが 1ドル=107.50円まで進んだところで、円から米ドルを作成し、手数料込みで 1ドル=109円で12万米ドル作成したとします。(10万米ドル以上なので市場実勢レート適用)

後はその銀行のネット取引や電話取引などで10万米ドル未満になるように2回に分けて6万米ドルずつ、 公表相場のTTB 1ドル=111.61円で米ドル売り円買いをすれば31万円相当の利益になります。 もちろん、間抜けな銀行のみ通用する手法で、まともな銀行は為替が大きく動いた際は、公表相場を更新するのが普通です。ですが、個人投資家では大したロットの取引はこないだろうと油断して公表相場を更新していない場合、お客にとっては収益チャンスであり、銀行にとっては損失となります。 噂で聞いた話ですが、某B銀行の行員が自分の銀行でこの行為をやり、小遣いを稼いでいたらしいです。その後バレて解雇になったとのことですが笑

さて、だいぶ話が脱線してしまいましたね…。

以上取引コストの種類についてでした。次回は、続編として取引コストを減らすための工夫について記載いたします。

追記

過去に記事にした注目銘柄の投資パフォーマンス(含み益or損&確定分を含む)

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日本海洋掘削(1606) 空売り 記事記載日6/26

リターン:+94%(買戻し済み)

過去記事↓

6.12 海洋掘削空売り

6.23 海洋掘削逆日歩

6.25 海洋掘削値動き

6.26 海洋掘削買戻し

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幸楽苑HD(7554) 空売り 記事記載日6/13

リターン :+6%(買戻し済み)

6.13 幸楽苑空売り

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日本M&Aセンター(2127) 買い 記事掲載日6/14

リターン:-15% (売却済み)

6.14 日本M&A買い

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田淵電機(6624) 空売り 記事記載日6/19

リターン:+55% (買戻し済み)

過去記事↓

6.19 田淵電機空売り

6.27 田淵電機ADRについて

6.28 田淵電機買戻し&株取引について

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オリックス(8591) 買い 記事掲載日6/20

リターン:-3% (売却済み)

6.20 オリックス買い

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鉄人化計画(2404) 空売り 記事掲載日6/30

リターン:+6% (買戻し済み)

6.30 鉄人化計画空売り

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夢の街創造委員会(2484) 空売り 記事掲載日7/4

リターン:+3% (買戻し済み)

7.4 夢の街創造委員会空売り

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ブイ・テクノロジー(7717) 買い 記事掲載日7/10

リターン:-3% (売却済み)

7.10 ブイ・テクノロジー買い

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エーザイ(4523) 空売り 記事掲載日7/12

リターン:+4% (買戻し済み)

リターン:+19% (買戻し済み)

7.12 エーザイ空売り

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フィンテックグローバル(8789) 買い 記事掲載日7/17

リターン:+3% (売却済み)

7.17 フィンテックグローバル買い

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記事掲載日7/24

アイケイ(2722) 買い

リターン:+1% (売却済み)

エスプール(2471) 買い

リターン:+3% (売却済み)

串カツ田中HD(3547) 空売り

リターン:+2% (買戻し済み)

ネオス(3627) 空売り

リターン:-3% (買戻し済み)

7.23 複数銘柄の売買掲載

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ネオス(3627) 買い 記事掲載日7/24

リターン:+21% (売却済み)

7.24 ネオス買い

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記事掲載日8/20

トレードワークス(3997)買い

リターン:+6% (一部売却し継続中)

トレンダーズ(6069) 買い

リターン:+4% (一部売却し継続中)

トレードワークス(3997)、トレンダーズ(6069) 買い

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ネオス(3627) 買い VOL2 記事掲載日9/4

リターン:+16% (一部売却し継続中)

9.4 ネオス買い

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大森屋(2917) 買い  記事掲載日9/13

リターン:+0% (継続中)

9.13 大森屋買い

以上




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