【空売り注目銘柄】鉄人化計画(2404)

2018年6月30日現在、ショートサイドにて注目しているのが…

鉄人化計画(コード2404)

事業内容は東京を中心に「カラオケの鉄人」を運営。 複数機種を集中管理することにより楽曲数を最大化。最近、トップが交代し、多角化経営から本業のカラオケ業に回帰する動きを見せている。

こちらの銘柄は本決算(第4四半期決算)が8月末となっている。2017年10月16日に発表された前期末(2017年8月末)の決算では自己資本比率は0.29%。自己資本は残すところ約1,700万円。短信の内容に継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在するとの記載があり、いよいよ逼迫した状況となってきました。以下より、鉄人化計画のIRなどを分析し、私見を述べていく。

前期末の決算短信に記載されている収益力棄損の要因としては、旧経営陣が数年間続けてきていた新規事業開発の過剰投資資源の傾注により、カラオケ運営事業の収益力が棄損したことが挙げられている。

この旧経営陣というフレーズについてだが、創業者の日野洋一氏が2017年6月に株主提案を行い、2017年8月の臨時株主総会にて当時の社長を解任している経緯がある。ここで新事業開発を行い、多角化経営を進めていた旧経営陣の戦略を中止し、2017年9月より、本業のカラオケ業にリソースを投入し、本業に回帰する動きが始まっている。

この本業回帰の理由としては、他社が企業努力でカラオケ事業を育てているからだと思われる。”ビッグエコー” を運営する第一興商や、”パセラ” 運営のニュートンに加え、先日シダックスから債権と持ち株の譲渡を受けた ”カラオケ館” 運営元のB&V、”まねきねこ” 運営のコシダカHD等はコンセプトルームや食事の充実など工夫を凝らすことでカラオケ事業を軌道に乗せている。

この本業回帰についてであるが、私がこれが裏目に出るのでは、と考えている。私見ではあるが、そもそもカラオケ事業がこの先も飯の種として有望であれば、新たな収益の柱を求め、新規事業を始めなかった可能性がある。多分、カラオケ事業だけでは不安があったのであろう。現に”若者 カラオケ離れ”でググると結構ヒットし、やはりカラオケが今後流行る方向ではなさそうだ。ただ、全国カラオケ事業者協会によれば、現在のカラオケ参加人口は延べ4720万人。01年には4800万人だったので、今世紀に入ってからほぼ毎年横ばい状態で、微減程度とのこと。ただ、下記の記事の通り、やはり年配が多数を占め、今後少なくとも増える方向ではないと思料。また、若年層に人気な一人カラオケは収益効率が悪く、追い風とは言えない。

カラオケ離れについて

この業界は人口減少のあおりを受けやすいことを踏まえ、これから少ない客を取り合う競争は熾烈になっていく。客単価を引き上げようにも、最近はマンガ喫茶でもカラオケが安く利用でき、単純な客単価引き上げは難しい状況である。企業体力のある同業者については、エンタメ事業やフィットネス事業など新規事業も軌道に乗せており、収益をヘッジできている。

一方、本業のカラオケ業に注力し、企業体力が少ない鉄人化計画にとっては厳しい戦いであり、脱落する日が近いとみている。

次に鉄人化計画の企業体力(財務状況)に言及する。先ほど上記に記載したのは2017年8月末時点の通期であったが、今年度の第1四半期、第2四半期の決算が出ており、動きがあるので書いていく。

やはり、第1四半期から債務超過となりましたね。ちなみに第2四半期(12月~2月)はやや数字が改善してますね。これはこの業界の特性として、クリスマスや忘年会、新年会などの年末年始、4月の歓迎会などの時期の決算(鉄人化計画では第2四半期と第3四半期)はその他の四半期決算より売り上げが出るようです。

ただ、このままではまずいと思ったのか、第3四半期(3月~5月)に増資をしてます。

2018.4.16 IR 第三者割当増資 

経営状態が悪く、株価が低いため普通の増資が難しいことから、うまいこと株価が低い時を狙って第三者割当で調達してますね。調達額は約5.6億円。 これにより債務超過の懸念はひとまずクリアしておりますね。

主な調達先はファースト・パシフィック・キャピタル有限会社

こちらは鉄人化計画の大株主でもあります。

前期末(2017年8月末)の株主構成です。

私見ですが、このファースト・パシフィック・キャピタルという会社は恐らく創業者(日野洋一)の資産管理会社で税金対策や株式分散のために作った会社だと思われます。

ですので私はこの増資については、創業者のポケットマネーから金を出して、どうにか債務超過から逃れている状況だと考えており、私はあまりポジティブには見ておりません。

※他社からも一部資金提供ございますので上記表の大株主の順位は変化いたします。今回の増資で20%近い希薄化となりました。

また同じく第3四半期に横浜銀行から5億円のコミットメントラインを設定してもらっております。

こちらはデッドですので債務超過の解決にはなりませんが、今後他行などで債務の返済を迫られた時の資金繰り用でしょうね。

ちなみに前期末(2017年8月末)の大口債権者は以下の通りです。

三井住友銀行がメインバンクなんですかね。ちょっと面白かったのが約3年前(2015年8月末)の大口債権者です。

こちらでは横浜銀行だったんですよね。横浜銀行はこの2年間でだいぶ鉄人化計画の債権を減らしたみたいですね。

以上のように資金繰りの対策は色々と講じているようです。これで今期に黒字転換する予定とのことだったので、もしかしたら持ち直すのか?とも思いましたが、2017年4月16日に増資発表と同時に、通期業績予想の下方修正を発表してます。△3.5億円の赤字見通しとのこと。

2018.4.16 IR 下方修正

つまり前期末の自己資本(約0.17億円)と今回増資した分(5.6億円)を含め、約5.8億円の自己資金があり、ここから今期の見通しの赤字額を差し引くと自己資金は約2.3億円。つまり、今期末は予想よりたったの2.3億円だけ下振れたら債務超過となる首の皮一枚の状況。

よって下振れせず、収益を上げていかなければならない状況ですが、私は怪しいと感じております。下記は営業利益当期利益です。

リーマンショック時に利益が下振れしていないのは、業種によるところが大きいのでしょうか。ですが、元々大きく利益を上げていた訳ではないみたいですね。ここ数年で一気に収益力が落ちてきた感じです。

さらに2018年6月も収益が懸念されるようなIRが追加されております。

・人事制度改革に伴う特別損失の計上(約0.3億円)

2018.6.14 IR 人事改革制度に伴う特損

ちなみにここの社員についてですが、転職サイトなどを見ると結構社員に業務負担をかけているのか、仕事に対する愚痴が多いです。また、経営に関することがあまり書かれていなかったのが不気味でした。社員なのに自社に興味がないのか?と感じました。

以下は前期末時点の社員数等です。

やはり離職率が高く、若い社員が育っている状況ではなさそうです。最近改革に乗り出しているのかもしれませんが、会社の体力を考えると人をゆっくり育てる余裕はないように思えます。あと社員数が少ないと感じました。店舗は50~60店舗あり、本社もあるのにその人数で回せるの?という印象を受けました。

話が横に反れます。

最近近くの店舗に実際に行ってきました。閑古鳥とまではいかないですが、空いてました。店内はきれいでしたね。また、周りのカラオケ好きな友人にカラオケの鉄人の良いところ聞きましたが、他社と特段大きな差別化はないみたいですね。コスプレが充実しているけど、要らないし、高いという声がありました。他の銀行仲間にも聞いたらカードを作れば安くなるよ、とのこと。倒産しなければそのうち作ります笑

話を戻します。

その他最近の減収要因となるIRです。

・カラオケの鉄人 渋谷道玄坂店にてノロウィルスが検出され、平成 30 年6月 19 日に管轄保健所より営業の停止処分を食らっています。( 6 月 20 日から 6 月 26日の間 臨時休業。)

2018.06.19 IR 渋谷道玄坂店 臨時休業

W杯の稼ぎ時の時に、よりによって渋谷店…。ノロで休業は痛いですね。

上記より財務状況、収益力、人的資産などを踏まえると状況的には厳しいものがあると思料。

では次に株価についてです。(直近2年)

思ったより下がってないですね…債務超過寸前の企業とは思えないチャートです。時価総額は2018年6月30日現在で約31億円。割高ですね。

上記チャートの2018年2月にある上髭は、要因を調べましたが分かりませんでした。需給をみて誰かが仕掛けただけのようです。

見通しと結論(私見)

鉄人化計画は第三者割当増資にて資金調達後、債務超過は回避したものの、厳しい状況に変わりはなく、割高な株価で放置されている。今期の予想については、赤字予想をしているが、その予想から債務超過までの距離はとても近い状況である。外部環境は厳しく、過去11年で営業利益、当期利益共に過去最低水準となっており、稼ぐ力は落ちている。次回の第3四半期決算は7月13日。IRにも書いてあったが、第2、第3四半期は時期的に売り上げが伸びやすい。よって、ここで伸びてないとより厳しい展開になる。しっかり見極めたいところ。

よって今のフェアバリューからすると株価の修正が進むものと予想する。以上より、鉄人化計画のショートを検討するもの。(個人的な目標株価は150円~100円)

※あくまで自身が勝手に注目しているだけであり、私見です。

追記

過去に記事にした注目銘柄の投資パフォーマンス(本日より記載します。)

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日本海洋掘削(1606) 空売り 記事記載日6/26

リターン:+94%(買戻し済み)

過去記事↓

6.12 海洋掘削空売り

6.23 海洋掘削逆日歩

6.25 海洋掘削値動き

6.26 海洋掘削買戻し

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幸楽苑HD(7554) 空売り 記事記載日6/13

リターン :+4%(投資継続中)

6.13 幸楽苑空売り

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日本M&Aセンター(2127) 買い 記事掲載日6/14

リターン:-10% (投資継続中)

6.14 日本M&A買い

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田淵電機(6624) 空売り 記事記載日6/19

リターン:+55% (買戻し済み)

過去記事↓

6.19 田淵電機空売り

6.27 田淵電機ADRについて

6.28 田淵電機買戻し&株取引について

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オリックス(8591) 買い 記事掲載日6/20

リターン:-2% (投資継続中)

6.20 オリックス買い

以上




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コメント

  1. 和久省二 より:

    ぴよぴよ様

    海洋掘削でお世話になりました。
    海洋はまだ高いので、買い戻していません。

    鉄人化計画 06.30最新号
    これ程の情報を・・・何とも素晴らしい。
    翌営業日2日空売り予定です。
    思惑が外れ、暴騰しても、言わずもがな私の判断です。

    田淵電機は1日逡巡した結果、逡巡日の翌日に規制が入り売れませんでした。

    不謹慎ですが、楽しみが増えました。

  2. ニ~ノ より:

    メッセージありがとうございます。
    空売りは規制が厳しいですからね。
    ヤバい会社は他にもあるのですが、空売りができる会社は少ないです。
    確かに不謹慎ではありますが、市場がいらないと判断する会社は市場から退場し、市場が必要とする成長著しい会社に資金が向かうのは市場の活性化や効率化につながり、良い側面もありますね。
    はい、また随時私見をあげていきます。

  3. […] 引用元:みんなのピヨピヨ投資 […]